プロメアのジジイは果たして「悪」だったのか

みなさんこんにちは。ぐび玉子です。
実は今、「プロメア」というアニメ映画に激ハマりしています。
みなさんはもうご覧になりましたか?
今回の記事はすでに見た方向けなので、見ていない人はぜひ見て下さい。
一応、見ていない人向けに紹介を…


しない!!!!!!!!!!!

全人類プロメア見て!!!!

お願い!!!!!

一応、公式サイトのURLだけ載っけておくわ!
プロメア公式サイト

私がしたいのは、じじいの話だからもう即刻そこに入ります!

議題「プロメアのジジイは果たして『悪』なのか」

 

ジジイとはこいつです↓

プロメアの応援(炎)上映に行ってきました(2回)。
みんなでがいがいガヤガヤ応援していたのですが、そこで「ガロ」「リオ」「クレイ」とならんで名前を叫ばれていたのが
「ジジイ‼」
まじで、登場するたびに「ジジイ‼」コールが出ていました。
このジジイは悪口ではなくて実際に役名が「老人」とされているモブのため皆そう呼ぶのです。
見た方はもうお分かりかと思いますが、このコールはもちろん応援の意味ではありません。

「(でやがったな)ジジイ‼」
「ジジイ(この野郎)‼」

という意味です。
これはジジイが、ただの普通の囚われのジジイとして登場したときか行われるので、応援上映では

「「「ジジイ‼」」」


「まだわからんよ!」「まだ早い!」

 

「「「ジジイ‼」」」

 

「いいジジイかもしれんよ!」「違う世界線かも」

などとジジイだけで会話が行われる始末。

バーニッシュのみんなを裏切り、自身の保身のためにフリーズフォースのスパイとなったジジイ…。

応援上映では悪役として扱われるこのジジイが本当に悪なのか、というのが今回の議題です。
というか、なぜこのジジイはここまで「悪」とされて他の人々は「悪」とあまりされていないのか、考えてみます。

プロメアの悪役?のみなさん

まず「悪」とは何か。これがプロメアの世界では難しい。
なぜならこの世界ではバーニッシュというだけで悪なのです。
さらに言えば、ヴァルカン大佐が言ったように悪かどうか、罪となるかは「裁判で決める」。
現実でもそうですがその行為が悪かどうかは「法律」と「裁判」次第。
それで見てみると、この映画でわかる範囲での犯罪者はこの二人(団体)。

☆クレイ・フォーサイト→殺人罪・人の開発したものの奪取・詐欺など
☆リオ・フォーティア(バーニッシュ)→テロのリーダー、テロの構成員
→リオ個人としては放火

ジジイはバーニッシュとしては「悪」に含まれますが、フリーズフォースの協力者としては「悪」でもなんでもありません。
つまり、ジジイは悪ではなく上記2人が悪…?
でも、この2人は応援上映では全く「悪」とはみなされていませんでした。
むしろ、プロメアの世界において正義を実行しているヴァルカン大佐の方が「悪」としてみられていた…。
(私が行った博多の一回目の応援上映ではヴァルカン大佐の登場シーンでまったく掛け声も拍手もありませんでした)。

ここで気になるのはなぜ観客側の我々はジジイやヴァルカン大佐を悪とみなしているのか
あと、私個人として以下の2人もかなりの悪だと考えています。

☆エリス博士
☆デウス博士(データ上)

エリスは妹と自分が生き残るために、多くの人が犠牲になることを知りつつ実験を繰り返したいましたね。
また、エンジンを破壊するためにバーニッシュたちのエネルギーを過供給させていましたね。
過供給する必要あった???その分だけバーニッシュ苦しむやん!死んじゃうやん!
と、毎回思いながら見ています。
まぁ、でもエリスに関してみればクレイにそそのかされた、命を守るために仕方なくなどの言い訳が通りますね。
ビジュアルもいいですし、その行為の背景も透けて見える。以上によりか、あまり悪とはいいがたいです。
もちろん責任はあるかと思います。

それよりもデウス博士(データ)💢

実際のデウス博士はクレイにより亡くなっていますが、あのデータ野郎の人類の傍観者感は何なんでしょうかね??
お前、自分が殺害されたときのデータをもっと早くネットにあげたりしていればクレイはあんなに権力を持たなかったし、エリス博士はクレイに協力しようなんてしなかったはずなんですよ!
なにしてたの?湖の下でランプこすられるまで出てこれない魔人の真似でもしてたの?
デウス博士(データ)に関していえば
①クレイによるデウス博士殺害の証拠を持ちつつ放置
②バーニッシュを利用したワープの地球への影響を知りつつ放置
という2大悪をやってのけてるんですよね。でも、映画では主人公たちに戦う力を授ける魔法使い的ポジション。
デウスの功罪は大きいと思うんだけどな…でも誰もデウス博士に対して「ジジイ」なんていいません。

さて、上記のクレイ・リオ・ヴァルカン・エリス・デウスよりも悪役とされているジジイとはなんなのか。

なぜジジイだけ「悪」とみなされるのか

さて、上記のクレイ・リオ・ヴァルカン・エリス・デウスよりも悪役とされているジジイとはなんなのか。
私は「ジジイ」という存在が「ジジイ」でしかないためであると考えます。

みなさん、シーマという女性はわかりますか?
バーニッシュのみんなが財団から脱走して洞窟に避難するシーンで亡くなる女性です。
クレイの実験により衰弱し、リオのキスによるエネルギーわけでも回復せず灰となってしまった女性。クレイの被害者。
それがシーマです。
私が最初見たときは「ああ、かわいそう」と思いましたが、ただそれだけでした。この時点では彼女の名前も知らないため、ただモブが死んだな、と思っていました。

しかし、このシーマは劇場の入場特典でかなり深堀されているキャラクターのです。
入場特典①ではガロのレスキュー隊としての初出動が描かれています。フォーサイト財団の関連施設が火事となり、そこへ向かうレスキュー隊。そこの火元がなんとバーニッシュとして「突然変異」してしまったシーマだったのです。
シーマはもともとそこの職員でしたが、火元となってしまったためさぁ大変。ガロたちはもちろん火消ししようとしますし、シーマを拘束しなくてはいけません。しかし、シーマはマッドバーニッシュにさらわれ(助けられ)、姿を消します。

ここまでが特典①です。特典②はリオがマッドバーニッシュのリーダーとなるお話です。ここでもシーマが出てきます。
シーマはマッドバーニッシュにさらわれ(実際は財団の実験から守るため)、バーニッシュとしての生活を余儀なくされます。
ここでわかるのは、彼女は「普通の人間」としての生活を失ったということです。彼女はきっと優秀な人材だったでしょう、帰る家も友人もいたことでしょう。しかし、両親にも友人にも別れを告げられず、何も持ってこれず身一つで逃げなくてはならなかったのです。なぜならバーニッシュだから。この特典②で、バーニッシュたちはフリーズフォースに襲われ、シーマは捕まってしまいます。

以上を踏まえて映画を見ると、最初に述べたシーマという人物像は変わります。
クレイの実験により衰弱し、リオのキスによるエネルギーわけでも回復せず灰となってしまった女性。クレイの被害者。

財団の職員だったが突如バーニッシュとして突然変異し火事を起こしてしまい、火事の実行犯として世間から追われ、何もかも捨ててバーニッシュとして生きざるを得なくなった女性。その後財団につかまり、人体実験の結果衰弱し、そのまま家族にも会えず死亡した。

という感じです。
これを知ってプロメアのシーマのシーンを見るともう「ふーん、モブが死んじゃった、悲しい」なんてもんじゃなくなります

「シーマ~~~~~~~!!!!( ;∀;)」となるわけです。

 

はぁ、はぁ…。ここまでシーマについて一生懸命話してきましたが、ジジイに戻ります。
シーマの例のように、私たちが2時間という映画で得られる情報は少なく、あとから得る情報によって感じ方が大きく変化することがあります。そこが映画の面白いところでもあるのですが。
映画の中でも、プロメアという映画はかなり意識して情報を少なくしていたイメージがあります。
レスキュー隊のキャラの説明はないし、デウス博士はロボくれてすぐいなくなるし、クレイ側の使える部下はヴァルカン大佐しかいないしで、物語を魅力的にするために情報を最低限にしていました。そのおかげもあり勢いのある映画に仕上がっているのですが、その被害者がジジイです。

いや、ジジイはくそ野郎ですよ。確かにそう。でも、ジジイがなぜこんな奴になったかそこを掘り下げると、この作品はもっと楽しめると思うんです。掘り下げていきます。

私がジジイについて知ってるのは以下のことだけです。
・リオ達が捕まるより前から財団につかまっている
・マッドバーニッシュを最後の希望だと考えている
・フリーズフォースのスパイとしてバーニッシュを裏切る
・老い先短い(ヴァルカン大佐曰く)
・フリーズフォース(財団)に逆らうリオ達を「バカ」と考える。
・結局財団に利用される

ふー、少ない。でもプロメアという世界から見えてくることもあります。
ジジイはおそらく60歳以上でしょう。で、バーニッシュが出現したのは30年前。つまり、ジジイは普通の人々とバーニッシュの戦いの歴史を知っているわけです。そして、少なくとも生まれてから30年ほどは普通の人間として生活していたということ。
ジジイがいつバーニッシュとなったかわかりませんが、少なくとも数年はバーニッシュにとって厳しい状況でした。市民のピザ屋の彼に対する反応を見ればわかりますよね。バーニッシュは迫害されて来たのです。
そして「最後の希望」であるマッドバーニッシュすら捕まってしまった。実際はリオ達の作戦だったのですが、ジジイにはそんなことわかりませんよね。ジジイはこの状況に絶望したのではないでしょうか。財団の実験で苦しめられる日々、弱っていくバーニッシュたち。先の見えない日々で、ジジイが権力にすり寄るのもよくわかることです。

これは現実でもある話です。参考に貼っておきます。
中国の大学ではびこる密告制度
密告者ステラ -ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女- [女性と戦争]

ジジイには普通に過ごした30年間があり、バーニッシュが迫害されていなかった日々と迫害されてきた日々の記憶がある。
しかし、それ以外のメインのバーニッシュの面々は若く、バーニッシュとして生きることに肯定的で、迫害される日々が当たり前であるという前提の違いがあると考えます。

ジジイは自分が一生バーニッシュであり、もう二度と普通の生活に戻れないと考えていた。だから、財団に逆らうリオ達は「バカ」だし、少しでも待遇を改善するには権力にすり寄るべきだと考えていた。
これがジジイが裏切った理由です。
ジジイが悪なのではなく、ジジイが普通に少しでもいい生活をするためにはこの方法しか残っていなかったが故の悪なのです。飢えた人が店先のパンを盗むのと一緒ですね。難民が海が荒れるとしっていても粗末なボートで海を渡るように、それ以外方法がなかった。
しかし、映画ではこんなジジイの過去を掘り下げる時間的余裕も必要性もないですよね!
だからジジイは少ない情報で単なる「悪」として存在させられているのです。
だから観客もそれを正しく受け取って「ジジイ‼」となってしまう。

以上のように考えます。この映画、一人一人掘り下げていくと本当に誰も憎めない。リオやクレイなんかは映画内でもその背景をにおわせていて憎ませないよう、決して彼らが単純な「悪」ではないよう描かれているのですが、ジジイに関してはその配慮なし!

でも、ジジイの行動にもちゃんと理由がある。それを…あの…主張したかったんです…
突然ですけど下記より誰得でもない「私の考えるジジイの人生(妄想)」が始まります。良ければどうぞ…。

私の考えるジジイの人生(妄想)

ピピピ、という音で男は目を覚ました。
ベットの隣を見ると、妻はもう朝の準備をしに寝室を出たようだ。
うーんと伸びをし、リビングへ向かうと朝食のいい匂いがする。

「パパ~おはよう!」

愛娘のアイシャだ。7歳になる娘を抱きかかえおはようのキスをする。
幸せな日々だった。

会社へ行くと、取引先で部下がやらかしたようだった。
午前のすべてをそれの対応に回し、午後に急ぎその日の仕事をこなす。
やらかした部下がその日ずっと落ち込んでいたので、飲みに連れて行ってやる。
気にするな、俺もやったよ。みんなあることさ。
少し遅くなったので、家族へのご機嫌取りにケーキを買って帰る。

完ぺきではないが、良い父・良い上司として頑張っているつもりだ。
週末は学生の頃の友人とサッカーをする予定だ。夏の休みには家族で海外旅行へ行こう。
もっと稼いで老いた両親に孝行してやりたい。

そう考えていた。もう30年も前の話だ。
風のうわさで、娘が結婚したことは知っている。しかし会いに行くことはできなかった。
娘に差別の目が向けられたくなかった。
バーニッシュになって助けを求めた友人には裏切られた。
裏切られた怒りで炎が噴き出て、彼らを傷つけてしまった。そんなつもりはなかった。
自分は危険だ。

好きでこうなったわけではない。しかし体の底から「燃えたい」という衝動があふれてくる。
落ち着いて生活したいが毎日追われ、迫害され心が穏やかになることはない。

財団につかまって、もはや自分が誰であるか知るものもいない。
知られる必要もない。実験され、消費され、消えていく。

私の人生とは何だったのだろう。
ああ、体が痛い。申し訳程度にまかれた包帯になんの意味があるのだろうか。
もう一度ビールが飲みたい。もう一度太陽の日差しを浴びたい。
もう一度家に帰って、ふわふわのベットで眠りたい。朝起きて、トーストの匂いを嗅ぐのだ。

誰か、誰でもいいから、楽になりたい。

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